母を偲ぶ(3) 〜1年祭を迎えて  教会長  

 9月10日は亡き母の誕生日。存命ならばちょうど90才です。昨年9月6日、神様のもとに帰らせていただき、ちょうど1年が過ぎました。先日、小阪教会で、上野親先生祭主のもと、1年祭を奉仕しました。祭典後、身内だけでささやかに食事を共にし、母の在りし日を偲びました。

 今年3月末、母を生まれ故郷へ連れて行ってやりたいと思い、小さな遺影とともに山口を訪れました。母が少女〜結婚前まで過ごした宿井教会は、初代先生以来大変なご比礼が立ち、大祭には教会前の通りに縁日がたって打ち上げ花火が上がると生前よく話してくれていました。平成13年に布教100年祭が仕えられた時は、姉一家、母、私、そして上野親先生とともに参拝しましたが、祭典の朝には花火が上がり、町内外からたくさんの参拝者でお広前は満杯となり、感激の祭典だったことが昨日のようです。母は終始うれしそうにご用していました。

 晩年、母に面会すると、決まって「宿井はどうなってんのかなあ」「昔は○○でねえ」と毎回のように同じ話をしていました。19で小阪に嫁ぎ、祖父母に仕え、父が外のご用で留守がちの教会のご用を大切にしつつ兄・姉・私の3人の子どもを育てていが母は、たまにしか故郷へ帰ることができませんでした。きっと宿井が恋しかっただろうなと思います。

 母の両親が眠る奥城に参拝し、宿井の霊前に母の遺影を置かせてもらい、従兄としばし昔話に花を咲かせ、母の生まれた地である室積教会に参拝させていただくことができました。
 伯父(宿井先代教会長)にたいへんかわいがってもらった私も、宿井に行くのが大好きでした。母の帰幽後まもなく亡くなった伯母とともに、伯父や祖父母と再会しているでしょう。
名張にも母は大変な祈りを込めてくれていました。100年祭に向けて見守ってほしいと願っています。


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